吉村順三の住宅建築Ⅱ

前回に引き続き「吉村順三の住宅建築」を紹介します。

1965年には、東京都杉並区に「浜田山の家」が完成した。

浜田山の家.jpg

「軽井沢の山荘」を横長にしたような外観であり、1階の鉄筋コンクリートの上に2階の木造建築がのった混構造の建物である。

1965年には、同じ杉並区に「久我山の家」が完成した。

久我山の家.jpg

こちらの建物も「浜田山の家」同様に、1階が鉄筋コンクリートで、2階が木造の混構造である。

1966年には、京都府宇部市に「御蔵山の家」が完成した。

御蔵山の家2.jpg

この家は、当初鉄筋コンクリート造の平屋で若い夫婦のローコスト住宅であったが、その後Ⅱ期、Ⅲ期と増築をして景観が変わっている。

御蔵山の家.jpg

子供が生まれたことによって、1971年に増築され、さらにその上に木造をのせて2階建てに増築が行われ、現在に至っている。

1968年に、神奈川県茅ケ崎市に「湘南茅ヶ崎の家」が完成した。

湘南茅ヶ崎の家2.jpg

この家は、「寺田倉庫」の創業者夫妻が、「ゲストハウス」としてゴルフクラブ「スリーハンドレッドクラブ」の敷地内に建てたものである。その後、祖父母が住んでいたのを、湘南唯一の造り酒屋である「熊澤酒造」代表・「熊澤茂吉」が買い取り、現在も住んでいる。(鎌倉R不動産より)

1970年に、東京都三鷹市に「井の頭の家」が完成した。

井の頭の家.jpg

この建物は、写真の左側が、最初に建築された部分で、その後何度かの改修を経て、2005年に右側が増築された。現在は、色鮮やかなベンガラ色の外壁ですが、当初はチョコレート色の外壁であった。その外壁は、改修時に塗り替えられた。当初の部分は薄い屋根が二段階に傾斜しており、内部は狭い空間でローコストながら小さな吹き抜け空間を設けている。

1971年に、東京都大田区に「田園調布の家」が完成した。

田園調布の家(猪熊)2.jpg

この建物は、1・2階が鉄筋コンクリート造で、3階が木造の混構造で、2階、3階に画家の住まいとアトリエで、1階は、弟家族の住まいとなっていた。

1974年、アメリカ、ニューヨーク州に「ポカンティコヒルの家」が完成した。

ロックフェラー3世の家3.jpg

この家は、「ロックフェラー三世の家」で、地下1階は鉄筋コンクリート造、その上に木造の地上1階の混構造の建物である。写真では、2階建ての上にさらに一段下がっている、敷地形状としては非常に面白いローケーションである。

今回は、「Wikipedia」他を参考に紹介しました。

☆参考

○火と水と木の詩     ○吉村順三のディテール    ○小さな家    
   住宅を矩形で考える


         






posted by Bokusai at 16:30Comment(0)住宅

吉村順三の住宅建築Ⅰ

「吉村順三」は、 1908年に東京市本所区緑町に生まれ、1926年東京美術学校(現東京芸術大学)建築科に入学し、在学中より「アントニン・レーモンド建築設計事務所」に勤務した。1931年卒業後、「レーモンド事務所」のスタッフとして働き、最後の約1年間をアメリカで過ごし、太平洋戦争直前に帰国。1941年12月8日、日米開戦の当日を選んで「吉村設計事務所」を開設した。1962年、「東京藝術大学教授」に就任した。

1953年に、千葉県市川市に日本画家の「東山魁夷」の自宅「下総中山の家」(下の写真)を完成させた。

東山魁夷邸.jpg

「東山魁夷」は、当時「日本美術学校」の同級生であった「吉村順三」に設計を依頼し、設計条件の「新築する際の居住面積の制限」から最低限の面積で設計され、とても簡素な家が完成した。
1957年に、東京都中野区に「南台の家」が完成した。
自邸「南台の家」を境に彼の設計住宅設計手法が大きく変わったと言われている。外壁に関しても以前は白い外壁が多くみられたが、白では存在感がありすぎるので、存在感を抑える役割として「板のテクスチャー」を使用している。

南台の家.jpg

「南台の家」の以前は、部屋の独立性を明確にするのに連結(斜めの廊下、スッキプフロアー等)の方法をとっていたが、「南台の家」からは、「重心」によっていかに各部屋の独立性を待たせるかに変わった。

南台の家図.jpg
彼の「重心」とは、景色の見え方から決められた始点とその始点を中心とする領域にあり、その「重心」に「暖炉」を置いた。その「暖炉」に誘導されて「暖炉」まで来ると、外部の景色を見渡せる位置に立つことになる。

南台の家2.jpg

各部屋の区別を仕切りではなく、段差や仕上げをの変化、垂壁や梁によって対処する方法をとった。
1957年には、神奈川県葉山町に「葉山海の家」が完成した。

葉山海の家5.jpg

ある企業の保養施設として葉山の「森戸海岸」の海に面した場所に建てられた。この「葉山海の家」の特徴は、木造の V 字型の柱で架構して、1階を大スパンの空間にした。木製のV字型の柱は、桧の120㎜角を使用し、2階まで突き抜けることで、1階をピロティのような空間にした。

葉山海の家6.jpg

この「葉山海の家」は、今は現存していない。
1962年には、長野県の軽井沢町に彼の代表作でもある「軽井沢の山荘」が完成した。

軽井沢山荘.jpg

軽井沢の山荘」の構造は、1階部分はRC造で、2階と屋根裏は片流れ屋根の木造で、1階からはね出した片持ちスラブの上に木造建家がのった混構造である。小さな空間を無駄なく有効に使うというコンセプトが充分に生かされた建築である。

軽井沢山荘2.jpg

森の中に溶け込んだ山小屋風の山荘は、楡と椚の林に囲まれ、宙に浮いているかのように外に開かれた空間が、コンパクトにまとめられている。

次回は、1965年以降の作品を紹介します。

今回は、「Wikipedia」、「吉村順三記念ギャラリー」記載ブログ他を参考に紹介しました。

☆参考

○小さな森の家      ○火と水と木の詩      ○建築は詩    

      






posted by Bokusai at 04:00Comment(0)住宅

ロバート・ヴェンチューリの住宅建築

彼は、1925年にアメリカ、ペンシルバニア州フィラデルフィアに生まれ、「プリンストン大学」を卒業後、ローマに留学した。「エーロ・サーリネン」、「ルイス・I・カーン」に師事した後に、フィラデルフィアに建築設計事務所を構えた。1954年から1965年まで「ペンシルベニア大学」で教鞭を執った。
1963年に、ペンシルバニア州チェスナット・ヒルに、「母の家」(下の写真)を完成させた。

母の家0.jpg

正面のファサードを見ると大きな家のようであるが、内部を反映していいなく大きく造られている。彼の師匠でもある「ルイス・カーン」が、この家を見て感想ひとつ述べず無言で立ち去ったようである。「ルイス・カーン」の目指す建築ではなかった。

母の家1.jpg

裏に回ると、表のファサードより小さいのが分かる。こちらからの1階平面パースが下の図です。1階は、70近い母親のために、暖炉を中心にアンティーク家具を並べ、生活がすべて行えるように設計した。

母の家2.jpg
「世界で一番美しい名作住宅の解剖図鑑」より

「母の家」は、彼が最初に設計した建築で、結婚するまでこの家の2階に住んでいた。そして、この家は、建築全体に一貫した合理性を追求したモダニズム運動に疑問を投げかけた小さな家でもあった。彼は、モダニズム運動の旗手である「ミース・ファン・デル・ローエ」の「少ないことはより豊かである」に対して、「少ないことは退屈である」と批判した。

1965年、カルフォルニア州フィラデルフィアに「ギルド・ハウス」(下の写真)が完成した。

ギルドハウス.jpg


「ビルド・ハウス」は、91戸の高齢者向け集合住宅である。建物外観の茶褐色のタイルと左右対称なのファサードで、ありきたりの建物のように見えますが、「反モダニズム」にあふれている。正面最上階にある大アーチと窪んだ入口の中心にある黒御影石の円柱、真っ白な玄関廻り、玄関の上バルコニー手摺に無造作に書かれたロゴ、微妙に不揃いな十字が切られた正方形の窓、5階の途中で水平に引かれた白いボーダー等、外観を構成する要素に脈絡なく唐突に置かれてるように、「少ないことは退屈だ」とさまざまな嗜好を凝らしている。
現在は、5つのアパートメントを改装して、聴覚障害者と視覚障害者の2つのユニットを設置している。新しい施設には、オフィス、ウェルネスルーム、娯楽施設などがある。

2008年に、ペンシルバニア州ウェインに「ペングブローク・ノース・コンドミニアム」(下の写真)が完成した。

pembroke-north-condominiums.jpg


フィラデルフィアの歴史的メインラインに沿って設計された「ペンブローク・ノース」の高級マンションで、3つの建物が3階建てで、合計54ユニットある。赤レンガの外壁は、広い石の縞と大きな窓がアクセントになっているて、ヨーロッパのような雰囲気の建物である。「ペンブローク・ノース」は、フィラデルフィア地区のLEED認定に登録された最初のマルチファミリー住宅である。

今回は、「Wikipedia」、「VSBA」HP、「世界で一番美しい名作住宅の解剖図鑑」他を参考に紹介しました。

☆参考

○世界で一番美しい名作住宅の解剖図鑑(松下希和)


○住宅・インテリアの解剖図鑑(松下希和)


○建築の多様性と対立性(ロバート・ヴェンチューリ)


○ヴェンチューリ&ローチ



posted by Bokusai at 15:00Comment(0)住宅