青木茂のリファイン建築(住宅その3)

今回は、東京都多摩市一ノ宮にある診療所併用住宅「竹本邸」の再生計画を紹介します。
既存建物は、1969年に新築し、その後1975年に増築した建物である。今回のリファイニング計画は、増築を行い、耐震補強も行って、2世帯住宅へ用途変更する計画であった。既存建物の老朽化の進行状況から、オーナーの建て替え等も含めた検討結果が、リファイニング建築手法なら、既存不適格部分を維持することができ、さらにはコスト削減と環境負荷低減につながる上に、バリアフリー化も可能であることから、選択をした。既存建物(下の写真)は、約50年経っていても比較的良好な状態にあるが、法的変更によって既存不適格建物になっている。

竹本邸既存外観.jpg

今回のリファイニング計画の内容は、1階ピロティを無くし居室にし、2、3階のバルコニーを新設して、内装外装を新規にすることであった。さらには、床の段差の解消や、エレベータ新設によってバリアフリー化を図ることでもあった。そして、新築以降に法改正された現行法令に適合させるための各種工事等を行うことであった。耐震補強計画では、既存建物2棟を一体化することが、今回の特徴でもある。その他には、柱の新設、既存梁の鉄骨補強、袖壁補強により耐震指標Is値を0.6以上を確保するようにした。リファイン後(外観写真)の外観は、ほとんど変わらない形状になっているのは、新築後の法改正で、変更範囲に制約があるためである。

竹本邸新規外観.jpg

既存建物の検査済証が存在しないうえに、新築後の法改正(昭和50年の第二種高度地区指定による高度斜線制限、昭和52年の日影規制について)によって既存不適格建物になっていたために、外観は日影制限の一括基準に則し、変更範囲が限られているために、既存建物形状を活かしながらのデザインとなっている。しかし、今回のリファイニング計画通り建物が完成した後は、検査済証を取得している。
1階玄関アプローチは、ルーバー風のフェンスによって明確に建家に誘導されている。

竹本邸新規外観3.jpg

内部のあかりや玄関の照明によって、玄関入り口まで照らされている。
玄関を入ると、壁面収納の下部のあかりによって足元を照らし、天井の間接照明等を利用して、適度な明るさを保っている。

竹本邸新規内観3.jpg

変更できなかったのが、階段幅のようで、このように制約が多く、難しい問題を抱えながらのリファイニングした建物であると感じる。
2階のダイニング、キッチンにおいては、バルコニーを新設し、ルーバーによって目隠しすることで、開口部を大きくとることが出来、室内空間を明るくしている。


竹本邸新規内観1.jpg

3階のダイニング・キチンについても同様であるが、バルコニーを半分だけ新設して、さらにルーバーによって目隠しをすることで、前面の開口部を大きくとることができている。

竹本邸新規内観2.jpg

今回の建物は、2015年に竣工し、延床面積303.34㎡で、RC造で4階建である。
今回は、「青木茂建築工房」HPを参考に紹介しました。

☆参考



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